フェアスタート実績

●その気になりさえすれば人はいくらでも変わる事ができる●

 

 

 

 

 

■小笠原望実さん

1991年生まれ。自立援助ホーム出身。15歳から4年間レンタルビデオ店で夜間の時間帯でアルバイトとして働いていたが、仕事に限界を感じ転職を考えていたところ、入所していたホームの職員さんにフェアスタートを紹介される。2012年4月にフェアスタートの紹介で営業職に転職。

 

フェアスタートが就職支援をした若者の中でもひときわ明るく、頑張り屋な小笠原さん。他の若者やボランティアメンバーからは「のぞみん」の愛称で親しまれ、みんなが集まるイベントでは常にムードメーカーとなっている彼女。フェアスタートとの出会いから現在の仕事への思いを語ってもらいました。

 

——-のぞみんは一応転職というカタチで今の会社に就職したんだよね。

はい、転職ですね。前はレンタルビデオ店で4年間くらい働いていました。

——その仕事は結構大変だった?

いや、そんな大変では。仕事自体は楽しかったんですけど、人間関係が難しくなって。

前の職場は自分が入ったのが16歳になってすぐだったんですよ。その時に雇ってもらった店長がすごくいい人だったんです。その店長に雇ってもらった恩返しが何かひとつでもできればと思って働いてたんですけど。店長が変わってしまって、それまでのチームワークを大切にした働き方が壊れてしまって。それから自分の気持ちが揺らぎだして。どうしてここで働いてるんだろう、って。胃を悪くして、胃カメラ飲んだりしてました。一時期起き上がれないくらい辛くて。もう精神的に耐えられなくなって、入所していた自立援助ホームに行って相談しました。

そこで職員さんに永岡さんを紹介してもらったのがきっかけだったんです。「そろそろ転職したいな」「もう今の仕事ちょっとやってられないかな」って。永岡さんが適性検査に来てくれて、その結果を見てこの職場とかどう、みたいな感じで紹介してもらいました。

—–なるほど。それで転職をしたわけだけど、今の仕事をしていて楽しい事とかやりがいとかを感じる時はどんな時?

楽しい時はえーと、何だろう。仕事内容が、大手からちっちゃい会社まで行って、コピー機のカウントの確認をしたり機械の点検をしたりする仕事をしていて。その時に、人と接するんですよ。やっぱりその時間が一番楽しいかな。顔を覚えててもらったりすると嬉しいですね。「こないだはありがとね」とか「また来てくれたのね」とか言ってくれたりすると、やってて良かったなって。まあ暑くて大変なんですけどね!今ほんと暑いんですよ!(2012年7月取材)車の免許持ってないんで自転車でまわってるんですよ。なのでもう汗だらだら流しながら。

—–アルバイトの仕事と今の正社員の仕事で違うなって感じるところは何かある?

違うのはやっぱり責任感ですね。お客さんの伝票をどこかに忘れてきたりとか失くしたりとかしたらすごく大変。緊張感があります。あと、今の社長には、怒られてもなぜ怒られたのかきちんと説明してもらえるんです。それで次の日にはもうリセットされていて、それ以上その事で怒られる事はない。それがアルバイト時代とは違っていて、「あれっ」て思いました。

——今の会社のいいところはそういうところなのかな?

そうですね。あと今の会社の社長には感謝しています。社長がいなかったら今の自分はいないので。仕事以外のところ、人間関係の部分で相談にのってくれるんです。何かあって落ち込んでいると一番に電話をくれて心配してくれます。周りがすごく見えているというか、そういうところがとても尊敬できます。

——–仕事を通じて成長した事はある?今ならわかる事とか。

理不尽に怒られたように思える事も、実は自分の為を思ってこそ言ってくれた事だったんだなって思えるようになりました。そういう事を言ってくれるのも、自分を信頼して、自分をかってくれているからこそ。今になればそれがわかります。

——今の会社でおもしろいところはどんなところ?

いろんなバックグラウンドの人いて、いろんな考え方の人がいて、それが安心するし刺激にもなります。でもそれに流されず自分は自分の考えをもって働いていればいい。

5年前には考えられなかった事ですけど、人と話すのが楽しいと思えるようになりました。会社の飲み会でも人と話すのがとにかくおもしろいんです。ようやくちょっと幸せが手に入ったかなーなんて。

人と違う生き方をしているからこそ自分はまだ強くなれるし、変われると思ってます。たとえ仕事で怒られてもなぜ怒られたのか、それを次にどう活かせばいいのか、そういう事を学ぶのが一般家庭の子よりもずっと早いから。自分で気づける力もつくし、仕事の能力が早く身に着けられるはず。学業の勉強は何歳になってからでも始められるけど、仕事のそういった能力を学ぶのは早ければ早いほどいいはずですよね。

自分を叱ってくれる人、怒ってくれる人へ感謝の気持ちがもてるかどうかが大切だと思います。それに早く気づくこともできるから、それは早く社会へでる強みだと思うんです。

自分のどこが悪かったのか、すぐわかるようになれば仕事がうまく進むようになりますよね。そうやって頑張る事で周りからの信頼も得られる。

生きていくのはつらいこともあるけど、生きていれば可能性は無限大だから。その気になりさえすれば人はいくらでも変わる事ができると思います。