プロフィール

金井優莉さん(かない ゆり)

高校を卒業後、神奈川県内のお弁当会社に2016年4月に入社した金井優莉さん。
朝早く、忙しい職場だけれど、お金に対しての感覚もしっかりと持ちながら、一人暮らしも頑張っている20歳の“先輩”に話を聞きました。

児童相談所経由で職探し

――高校では何かやりたい仕事とかありました?

中学まで児童養護施設にいたんですけど、小さな子どもたちが多くて、かわいいし、子どもが好きだったので、保育士の専門学校に行こうかなと思ったんです。
でも一人暮らしして働きながら専門学校に行くのは大変だよって、高校でお世話になってた里親さんにも反対されて。
自分も、本当に専門学校行きたい気持ちがあるなら、まずは働いてお金を貯めてからでもいいかなと思ったので、就職先を探すことになりました。
それが高校3年生になってからですね。

――会社が社会的養護のもとにいた人を採用するのははじめてだったんですか?

そうですね。1人目だから頑張ってほしいとも言われました。
私も自分のこれまでの事情もすべて話しているので理解してくださっていて、おうちで年越しをさせてもらったり、ご飯に連れて行ってもらったり、よくしていただいています。

忙しいけれどやりがいはある職場

――入社して一年半ぐらい経ちますが、仕事は慣れましたか?

最初はすごく大変でしたけど、今は徐々に慣れてきて、パートさんたちとも仲良く、和気あいあいと仕事しています。

――仕事の内容は、お弁当の製造ですか?

そうですね。だいたい朝におにぎりを作って、週に2、3回はサラダを担当して、午後は揚げ物のパン粉づけとか。
うちのお弁当は、ソース関係も煮しめも、最初から全部手づくりなんです。

――すごいですね。忙しいけれどやりがいはありますか?

ありますね。残業代もボーナスも出るので、お給料もそこそこいいし(笑)

せっかくの機会。目標を持って進む

――まだ高校を卒業して数年ですけど、以前と変わったなと自分で感じることがありますか?

最初はすごく施設が嫌で脱走したり、悪いことして怒られたりしてました。
けっこう人に流されやすいタイプだったので、誰かに一緒にやろうと言われると断れなかったんですね。
でも、自分でも考え方が変わったと思います。
仕事は大変だし、嫌だなと思う時もないわけじゃないけど、やっぱり色々してもらっているし、裏切ったらいけないという気持ちがすごくあるんですよね。

――まだまだこの先、人生長いけれど、何か目標はありますか?

今、調理師の免許を取ろうと思ってるんです。調理師って、調理の仕事を2年経験すると受験資格が得られるんですけど、もうすぐ2年になるので、今から勉強しようと思ってます。でも、机の上にちゃんとテキストとノートと筆箱は置いてるのに、全然手を付けてなくて。忙しくてなかなか勉強は進みませんけど。でもせっかくこの仕事をしてるので、もったいないかなと思っていて。勉強は来月からがんばります(笑)