プロフィール

中島希望さん(なかじま のぞみ)

18歳で児童養護施設を退所、解体工事の会社に就職するも5カ月で退職。
カラオケ店でのアルバイトを2年続けた後、フェアスタートの就職あっせんを通じて2012年11月にIT企業へ就職。
現在は都内のデータセンターに勤務。仲間の中では「なかじ」の愛称で親しまれ、素直で誠実な人柄で慕われています。

働くことは人生そのもの。働くってことに人生がつまってるんだと思います。

———–じゃあいろいろ聞かせてね。施設にいた時の就職活動は?

施設にいた時の就職は高校の斡旋。求人がファイルに挟まってて「さ、この中から選べ!」みたいな(笑)販売系が多かったですね。
いろいろ迷ってはいたんですけど、結局普通に建設業に入ったけど続ける気がなかったので案の定5ヶ月くらいで辞めて。
そこを選んだのは野球をやっていたから力仕事がいいんじゃないかって思って。
バイトもしたことなかったから働くということがイメージすら湧かなくて、本当に全然決められなかった。

入社して2日くらいで辛いと思いました。
周りにもなじめなかったし、やっていることも面白いって全然思わないし。
辞めた後はとりあえずカラオケの深夜バイトを始めて2年くらい続けました。

———その時は正社員で探そうとは思わなかったの?

思っていたけど、とりあえずなんかバイトしてから探そうって思っていて。気付いたら2年くらい経っていました。
正社員の仕事を探したことないしやり方がなかなか分からないですよね。

———高校の時とかに仕事のことについて考える機会はあまりなかった?

全然なかった。機会がなかったのか、自分で考える気がなかったのかはよく分からないけど。
カラオケのバイトをぼんやり続けるのは良くないなあと思いつつ、時間だけが過ぎていって。
凄く楽しかったから必要以上に切羽詰まった感じもなかった。
でも、放っておくとズルズルいきそうだなと思ってた時に永岡さんに出会いました。
施設の人がみかねて紹介してくれたから。
その時は自分で仕事を探さなきゃって思って探してたけど見つからずにいた時で、最初ITの仕事を紹介された時は全然ピンとこなかった。
でもバイトをしているより、なんでもいいから社会人として働いていたほうが勉強になるなあと思って。

———仕事を始めて成長したなって思う事ある?

うーん、大変な事もあるけど、でも辞めてやろうと思った事は一度もないです。辞めたって何も残らないし。
前の会社はやりたい仕事でもなかったし仕方なく就職したから、最初から辞めたいって思ってた。
自分で選んだ感じはまったくなかったから。今の会社は最終的には自分で決断したってのはあります。
結局辞めるのは簡単だなって最近すごく思ったから。つらいから辞めるとかいってたらどこ行っても一緒だと思うし。

———–みんななかじが変わったって言ってるけど自分ではどう?

自分ではわからないですけど。話してる時の態度が変わったって言われます。
人見知りだったけど、知らない人と話す機会はすごく増えたので慣れました。
世の中いろんな人がいるんだなって。色んな人と知り合って色んな事を知りたいとは思います。

———–仕事の息抜きのしかたは?

休日があれば何してても息抜きになりますね。野球やったりサッカーやったり。
バイト時代はストレスなんてたまった事なかったけどアルバイトとは責任が全然違うから。
そういう点ではだいぶ変わったなとは思います。またバイトに戻りたいとは思わないです。
楽しかったけど最後の方はやめたいと思ってた。楽し過ぎて「自分の人生こんなんでいいのか」って。
周りで30代や40代でもフリーターやってる人もいたけど、じゃあ自分もそれでいいかってのは違うって思ってたから。
仕事は大変だけどプライベートの時間になったら仕事の事は考えないようにして、頭を切り替えて。
今がしんどい時だけど、将来これが何かに役立ったらいいなーと。後々今の苦労が役にたつと信じて。

————なかじにとって働くとは?

働く事が人生そのものなんじゃないかって思いますよ、結局。働くって生活の基盤じゃないですか。
収入を得て働くって事も毎日の使う時間も。だから働くって事に人生がつまってるんじゃないかなと。
おお、普段そんな事考えてないのになんか今でてきましたよ(笑)!

ーーーー名言だね(笑)!じゃあこれからはどんな社員を目指して働いていく?

うーん、切り替えのできる大人がいいな。
仕事は仕事で頑張って、オフになったらプライベートを楽しむっていう。そういう大人な働き方を目指します!

※後日談 インタビュー当日は照れてなかなか話してくれなかった中島くん、後日SNSにこんな書き込みをしてくれました。

「仕事始めて自分が本当に少しだけど変わってきてる気がするんだ。まだまだ変われる気がするし変われるきっかけをもらったのだから頑張ろう。」