プロフィール

須貝 優花 さん(21)

施設を18歳で出ていったん就職したものの9ヶ月で退職。アルバイトをしながら自動車免許を取り、再度就職活動。施設の園長の紹介でいまの会社へ。29年3月、20歳の時に入社。

入社2年目ですでに経理の仕事をひとりで担当し、周囲からの信頼も得ている須貝優花さん。
ディズニーランドからほど近い勤務先の梶哲商店で、話を伺いました。

総務経理というお仕事

―― 1日の流れを教えてください。
私の仕事はルーティンなので、決まった仕事をきちんとこなすことが求められます。8時55分に朝礼をして、5分間掃除をして、9時になったら業務開始。私は朝、自分の席に座ってから、会社の当座預金の動きを確認して、動いていれば印刷をして仕分けます。お昼を食べて、15時にまた当座預金の動きを確認して、17時に退社となります。基本的には月曜から金曜の勤務で、土日休みです。

―― 事務仕事って、あまり人と接しなくていいイメージを持っている人もいるかもしれませんが、コミュニケーション能力は必要だと思いますか?
そうですね。事務に限った話ではないと思いますけど、やっぱり自分の仕事の先には人がいるんです。1から10までひとりで全部できるわけじゃなし、他の人にお願いしないとできないこともある。よく、下に新人が入ってきたという友人たちから、新人がメモを取らないとか挨拶をしないとか愚痴を聞くんですけど、どうせなら愛想よくした方がかわいがられるのに、と思います(笑)。

夢は夢。仕事は仕事。

高校のときも、いまも、私にとって「仕事」イコール「夢」じゃないんです。夢は夢として、たとえば旅行が好きだから海外旅行したいとか、行くならここに行ってみたいとか、そういう夢はあります。
だけど仕事に対して、絶対にこれがやりたい!という気持ちはなくて。どうせやるならこれができるようになりたいなあ……と思うことは、もちろんありますけど。

―― 「将来の夢」ではなく、いまの仕事のなかでの「目標」や「やりたいこと」はありますか?
上司がもう66歳なんですけど、どうせやるなら部長の席を代わってやるくらいの気持ちでいたいです(笑)。
総務経理の仕事は、会社のことを全般的に把握できるので、「あの子に聞けばなんでもわかる」と言われるぐらいいろんなことができるようになりたい。器用貧乏になりたいです(笑)。

施設の子たちに伝えたいこと

―― 施設にいる間、自立に向けて貯金などはしましたか?
特にお金をつぎ込む趣味もなかったので、バイトで稼いだお金は貯金にまわして、施設を出る頃にはひとり暮らしの初期費用分ぐらいは貯めていました。

―― 社会人の先輩として、いま施設などにいる子たちに伝えることはありますか?
社会に出たての人にとっては、社会人というものがなんだかよく分からないと思うんです。でも、採用する方だって、高卒者に即戦力を期待しているわけではないので、仕事は分からなくても、まわりの人とちょっと楽しく会話するよう努めてみるだけで、後々、全然違います。
せっかく「新人」ってかわいがってもらえる時期なのだから、それを武器にして、周りの人とコミュニケーションを取っていってほしいと思います。